サイバーセキュリティ 2025-03-26
サイバーセキュリティ(Cybersecurity)とは、コンピュータやネットワークなどの情報システム、およびそれらでやり取りされるデータを脅威から保護するためのあらゆる対策やプロセスを指す
サイバーセキュリティの目的
機密性(Confidentiality)
- データや情報を不正なアクセスから守り、正当な権限を持つ者のみが閲覧できるようにする。
完全性(Integrity)
- データが許可なく改ざん・破壊されないようにし、正確性を保つ。
可用性(Availability)
- 必要な時にシステムやサービスが利用可能な状態を維持し、業務を継続できるようにする。
これら 3 つを「情報セキュリティの三大要素 (CIA トライアングル)」と呼び、サイバーセキュリティにおいても重要な指標となります。
主なサイバー脅威
マルウェア(ウイルス・ランサムウェア・スパイウェア など)
- 悪意のあるソフトウェアを用いて、コンピュータやネットワークに侵入・感染させる手口。
- ファイルを暗号化して身代金を要求する「ランサムウェア」や、ユーザー情報を盗み取る「スパイウェア」が代表的。
フィッシング(Phishing)
- 偽のウェブサイトや電子メールを使ってユーザーにパスワードやクレジットカード情報を入力させる詐欺手法。
- SMS やメッセンジャーアプリを使う「SMiShing」「メッセージ系フィッシング」も増加。
不正アクセス(ハッキング)
- ID やパスワードを割り出したり、システムの脆弱性を突いて、正規の権限がないのにシステム内部へ侵入する行為。
- DDoS(分散型サービス妨害)攻撃などで、サーバやネットワークをダウンさせるケースも含まれる。
内部不正
- 組織内部の従業員や関係者が意図的・または過失により機密情報を漏洩させる、システムを破壊するなどの行為。
- SNS やクラウドストレージへの誤ったアップロードなどの事故も発生しがち。
サプライチェーン攻撃
- ソフトウェアやサービスの提供元(サプライヤー)を狙うことで、最終的な顧客企業を攻撃する手法。
- アップデートファイルにマルウェアを仕込む手口や、開発環境への侵入を通じて製品に悪意あるコードを埋め込む例がある。
サイバーセキュリティ対策のアプローチ
技術的対策
- ファイアウォールや侵入検知システム(IDS/IPS)、ウイルス対策ソフトなどの導入。
- ネットワークやシステムの脆弱性を定期的にスキャン・パッチ適用を行う。
- ログや通信データの監視により、不審な挙動の早期発見を試みる(SIEM ツールなど)。
人的対策
- セキュリティ教育・トレーニングを継続的に行い、フィッシングメールや不審サイトを見分けるリテラシーを高める。
- 適切な権限管理やアカウント管理(多要素認証、定期的なパスワード変更)を実施する。
組織的対策
- セキュリティポリシーやルールを整備し、全社的に守るべき基準を明確化する。
- インシデント発生時の体制を構築し、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)などの専門チームを設置する。
- 定期的にセキュリティ監査やペネトレーションテストを実施する。
物理的対策
- サーバールームやデータセンターへの物理的な入退室管理を徹底する。
- 端末の盗難や紛失対策(画面ロック、暗号化など)を行い、情報を持ち出されないようにする。
運用・監査・継続的改善
- セキュリティに「これで完璧」という状態はなく、継続的にモニタリング・分析し、対策をアップデートする必要がある。
- インシデントが発生した場合に原因究明と再発防止策を徹底する。